2020/5/22

 

先日、友人が亡くなりました

21歳 早すぎる死でした

僕と彼は高校の同級生

同じタイミングで楽器を始めた子

同じタイミングでベースを手にした子

同じタイミングで軽音楽部に入部した子

同じタイミングでバンドを始めた子

 

彼とは学校であったベース講習会っていう先輩が教えてくれる会があってその時に仲良くなりました ベースに直接刺さるヘッドフォン型のアンプを使って一人でヘッドフォンをしながらベース弾いてた変なやつでした 今思えばアレすげーダサかったよ

そこから仲良くなった僕らはお互いに高め合う関係だったと思います ある日は急にレッチリを聞かされて二人でスラップの勝負をしたり ある日はKISSを聞かされて僕は全然ハマらなかったけど楽しそうに語る彼を見てました

それから僕らは高校生と同時にバンド活動を続けていました 彼のバンドは当時高校生がよく出ていた大会にエントリーして決勝に勝ち上がるくらいかっこいいバンドでした 悔しかったね 自分よりも上手くもなく下手でもない奴が大きい大会に出て賞を取るのを見てるのは悔しかった でもあいつはカッコ良かったんだ 「あいつが弾くベースには華がある」そうやって言う人がたくさんいました バンドに馴染むようで馴染まない ドラムもギターもボーカルも上手いメンバーの中で一人だけ際立つ見た目 上質なベースラインでもないのに何故か目を奪われるベースを弾くやつでした 悔しかったなあ 僕はその悔しいが合ったから今までずっとベースを弾けたんだろうね

高校2年生になるとクラス替えがありました 緊張の一瞬だね 誰もが経験したと思う 当時のバンドメンバーのドラムの子がすでに同じクラスと分かっていたので緊張しながら新しいクラスの2年5組の教室に、君がいたんだ 忘れないよあの瞬間 二人で喜んだね それからはお昼休みは毎日2人で食べてたね 授業が終わって購買に全力ダッシュ 戻ってきたら僕の席の前に座っていつも待ってたね いろんな話をした 当時好きだった子のこととか 軽音楽部のこと 最近聴いてるバンド 昔やってたゲームの話 見たい映画の話 毎日毎日2人で話してたね

その時にはもうやってたバンドを辞めるってなってたんだっけな 僕にはもったいない事すぎて止めたけど結局やめちゃったね まあ仕方がないけどいつまでもベース弾いてる姿を見たかったな カッコよかったんだぞお前 それが俺の糧になってたんだぞ

僕らはなんとなく高校生を過ごしてたかもしれない でも思い返したらずっと笑ってたね 体育の授業が終わったら何故か毎回全裸になってたし水泳の授業が終わればまた全裸になってた 脱がしすぎたわホントごめん いやでも面白かったからオールオッケー 脱ぎ芸の神だったぞお前は

君との思い出は語れば語るほどいっぱい出てくるね 修学旅行の時はあいつと君と僕の3人の部屋で泊まって3人でちっちゃい風呂に入ったね 寝る前は僕の好きだった子の事を話してあいつにも君にもお前ならいけるなんて言われて告白したよな 懐かしい あの後すぐ付き合って振られたよ その時も「全部お前が悪いんだよバーカ!!」なんて言って元気出させてくれたよね ありがとう 多分その時も全裸にさせてたと思う 本当にすまんかった いやでも面白かった

そういえばあいつと君と3人で君の家に泊まった事があったね なんでそうなったかはわからないけど鍋やろうってなって泊まりに行ったんだよね スーパーで買ってきた肉を冷蔵庫に入れ忘れて野菜だけの鍋ができたんだよな 君が見たいって言って借りてきた映画が「ムカデ人間」だったよね 最悪だったよアレ 楽しい時に見るものじゃないよアレ

あ、高1の時に年末年始のセールで楽器屋にエフェクター買いに行ったな MXRとサンズアンプで迷ってる僕にMXR買いなよ!って言ってくれたね アレまだ使ってるんだよ 塗装は剥げてボロボロになってきたけどまだ動くんだ ずっと使い続けるんじゃないかな 動かなくなっても直して使うよアレ あの時僕に推してくれてありがとうね

高校3年生の時に当時僕が付き合ってた子と放課後教室で2人でいたの知ってるでしょ 結構毎日いたよな 確かクラスで席が前後になった時があって君の席は僕の前の席だったね 当時付き合ってた子は君の席に座ってたんだよね うん、これはコンプライアンスに怒られそうだからやめよう その話をした時にキレながらゲラゲラ笑ったの懐かしいな 若気の至りで許してくれ 童貞いじりしすぎてごめんな いやまだ童貞だろお前

こうやって書くと僕の高校生活はいつも君がいたな いつも一緒に笑ってたな いつも一緒にふざけてたな まさか君に手紙を書く日が来るなんて思わなかったよ 手紙なんて書きたくなかったよ だって電話すればすぐ伝わるじゃん 会いにいけばいいじゃん

最後に話したのはいつなのかあんまり覚えていないんだ でも確か僕の生活が破綻しててダメになってる時だったね 毎日お酒飲んで毎日潰れてた時の事だよ なんだか酔っ払って君に電話したくなったんだ 公園で飲んでて友達にトイレ行ってくるって言って電話かけたんだよ その時も笑ってなかったっけ ヒナタお前大丈夫かよ!ってずっと言ってくれてたね 電話中に「早く会いたいから遊ぼうぜ」ってお互い言ってたよね 結局会えないまんま日々を過ごすことになっちゃったな

君が亡くなってからたくさんの友達と連絡を取ったんだ 高校生の時の友達 たくさんの友達 みんなが君の急死を悲しんでたよ 羨ましいよ お前みんなに愛されすぎだよ みんな言ってたよ

「あいつなんで俺よりも先に逝くのかな」

寂しいよ 何も言わず行くなよ 会う約束したじゃん いつも一緒にいたじゃん また会ったら2人でバカやるって決めてたじゃん あいつと君と3人でいざこい行って飲みに行こうよ 終わったら井の頭公園で3人でベンチ座って缶チューハイ飲もうよ お前が亡くなってからあいつに連絡したらさ

「3人で井の頭公園行こうぜ もちろんお前と、あいつも連れて3人だよ」

なんて言うんだよ 俺泣いちゃったよ お前の事で泣く日が来るとは思わなかったよ 歳とってもずっと一緒にいられると思ったよ お互いジジイになって孫ができても童貞いじりするつもりだったよ俺は いつもいつも弄り続けて2人で笑っていられると思ってたよ

僕はなんだか煮え切らない毎日が続いています それは多分、君と言う友達がいないからです 当たり前みたいに思ってた いつでも会いに行ける距離でいつでも電話すれば出てくれていつでも笑ってられると思ってた もうそうじゃないんだね 出来れば君の声が聞きたい 出来れば君と並んで歩きたい 出来れば君とベースの話がしたい 出来れば君と乾杯がしたい 出来れば君とずっと一緒にいたい あーそうか 僕は君のことが大好きだったんだ やっと気づいたよ こんなにも大事な友達がいたのにもっと仲良くできたのにもっと遊べたのに 今では何をするにしても後悔が出てきて何かに手をつけようとしても進まないです 僕はどうしたらいつもの日常が取り戻せるかなあ こんなにも君の事を想うと言葉が出てくるんだなあ 僕らは親友だったんだなあ

君が天国で寂しくないように手紙の中にはピックを入れました 上でベース弾いて待っててね 結構待つかもしれないんだけどその間に俺よりベース上手くなってたらキレるからな 長く待つかもしれないな ごめんな でも絶対に会いに行くし探しに行くよ その時にはあいつも一緒な気がするな そしたら3人で風呂に入ろう やってること本当にバカだな 俺ら

49日の間は現世にいるよね いつでも会いにきてな 幽霊は見慣れてるから大丈夫 夢の中に出てきてもいいよ 話がしたいな 多分会ったら会ったで俺の説教始まるけど我慢して聞くんだぞ 俺を置いて行く君が悪いんだぞ

もう3000字も書いてるからそろそろ終わりにするね これは君への手紙なのかもしれないしもしかしたら誰かに対してのメッセージなのかもしれない 生きることって難しいけど多分勝手に難しくしてるだけでみんな単純に、生きたいんだ 長生きしていろんな事を学びたいんだ 長生きして大事な友達を作りたいんだ 僕らは3年間って言う人生の中で本当に短い時間を何よりも色濃く鮮やかに過ごしてきたけど、君と過ごした3年間は絶対に忘れないよ 忘れられないよ 本当にありがとうね 感謝してる だから上で寂しがらないでね 絶対俺もそっち行くんだから バイバイじゃなくて、またね、だよ ありがとう大好きな友達 君の親友の1人の僕からでした

 

僕はまだライブハウスで生きています

僕はここで生きていく

 

 

 

 

 

ご冥福をお祈りします。どうか安らかに。

 

 

2020/5/22 4:48

ここまで呼んでくれてありがとう